紙面の記事の流し方で若手に修正理由をうまく説明できないことがある。仙台弁で言う「いづい」のだ。いまは紙面はパソコンで作るが、新聞組み版の基本的なルールは鉛の活字時代からほぼ変わっていない。
 現在は1ページ縦12段割り12字詰め横70行。活字のサイズは横3.9ミリ縦3.2ミリ。1974年に本社制作部がまとめた「組み版の作業工程」によると鉛の活字は縦2.2ミリ、横2.7ミリ。紙面は縦15段割り15字詰め横93行。収容できる文字数に差があるのはもちろんだが、パソコンで組むいまと違うのは鉛の活字には23.5ミリの高さがあり崩れやすかった。
 当時は、太い鉄でできた新聞大の枠に沿うように頭から活字を押さえ付けながら組んでいく。小さな活字の崩れを防ぐことはもちろんだが、上から順繰りに組むことで記事は川のように上から下に流れる。読者も自然に読むことができた。
 パソコン編集は縦横無尽で紙面の中央や隅からも展開できる。その分下流で記事の複雑な流れができやすく、これがいづさを生む。制作部唯一の鉛の組み版経験者は「読者が読み間違えなければいい」とおおらか。
(整理部次長 足利克寛)