主な記事を紹介する1面の目次に2月21日「花巻 マルカン大食堂復活」があった。昨年6月に閉店した花巻市の老舗「マルカン百貨店」が20日、約8カ月で営業を再開していた。
 ネット通販の攻勢や地方商圏の沈下が進む中、大手デパートでさえも地方・郊外店の閉鎖が相次いでいる。43年の歴史があり、商店街の顔でもあった老舗の再興は「花巻の奇跡」とも呼べる快挙ではないか。
 運営を引き継ぐ同市のまちづくり会社の奮闘もさることながら、署名活動などで存続を強く呼び掛けた市民パワーに頭が下がる。
 30代の記者時代、花巻支局には3年間勤務し、人気の展望大食堂には家族と共に何度も足を運んだ。広いフロアで、女子高生が10段巻きのソフトクリームをはしでつまんでいる姿には目を見張った思い出がある。
 復活の当日、たまたまワイド東北面のデスクを担当し、写真特集に添えるキャッチフレーズを考えた。
 「老舗」「愛着」など、面担記者と一緒にあれこれ検討したが、どれも堅苦しい。ひねり出したフレーズは「これこれ、この味」。感傷的ではあるが、個人的な思い入れを味付けした。(整理部次長 新迫宏)