昨夏、岩手県岩泉町が豪雨に見舞われた。近い親戚が住んでおり、テレビや紙面を通じて知る惨状に、ただただぼうぜんとした。
 電話がやっと通じたのは4日後。ヘリコプターによる物資の輸送が続き、電気も止まったままという。だが、まだまだ危険であるため「来るな」と言われた。
 何もできない情けなさ。「駄目でもともと」と宅配業者に電話した。2社にあっさり断られたが、最後に救われた。「ご心配でしょう。いつ届くか、約束はできません。でも、お断りはしていません」
 涙が出そうだった。こちらの切なる思いを酌んでくれたようで、強い使命感から受けてくれたようで…。早速、段ボールに食料、生活用品などを詰め込み、配送センターに持ち込んだ。
 その業者、ヤマト運輸が苦境に立たされている。業界最大手にあって、労組が会社に荷受量の抑制を申し入れる異例の事態。取り扱いが増え、人手不足も進んで長時間労働が慢性化しているという。
 「昼食を取る時間さえない」「仕事がいつ終わるか分からない」。現場の嘆きは深刻だ。いい着地点が早く見つかることを願う。
(整理部次長 細谷隆)