甲子園大会で優勝して、ドラフト1位でプロ入り-。野球少年なら誰もが憧れるコースを歩む選手がいる一方、紆余(うよ)曲折を経てプロの世界に飛び込んだ選手も少なくない。独立リーグのBC新潟から今季巨人に育成1位で入った高井俊(すぐる)投手(21)もその一人だ。
 宮城・東北高時代はエースになれず、2013年の最後の夏は宮城大会4回戦で敗退。「自分のレベルでは付いていけない」と、卒業後は古里の新潟県に戻り、調理専門学校に入った。
 余暇で軟式野球をやっているうちに再びプロへの思いが強まった。トライアウトを受けてBC新潟に入団。元大リーガー野茂英雄氏(48)張りに大きく上体をひねって投げる「トルネード投法」を身に付けた。球速も上がり、昨年5月の東北楽天2軍との試合では自己最速の152キロを出し、スカウトの目に留まった。
 現在は支配下登録を目指して練習を続けており「155キロ以上出して一日も早くクローザーとして東京ドームのマウンドに立ちたい」と右腕をなでる。回り道をしてもいい。諦めなければ夢はかなう。可能性の素晴らしさを高井投手の生き方が教えてくれる。(スポーツ部次長 佐藤克弘)