先日、高校の入学式に出席する機会があった。中学を出たばかりの生徒たちに向けた、校長先生の式辞が心に響いた。
 強く求めたのは「簡単に同意しない気持ち」。学ぶ姿勢として、中学までは教師の話にうなずき、笑うところで笑っていれば、それで良かった。でも、高校からは駄目だという。
 「入学を許可する」。式の冒頭、校長先生が告げた言葉にその理由がある。高校は義務教育ではない。許可は、さらに学ぼうとした選択に与えられる。だからこそ、受け身にならず、納得できるまで突き詰める姿勢が大切というわけだ。
 さて自分はどうか。50歳を過ぎ、世の中のことを分かったつもりでいないだろうか。仕事においても、疑問を持たず、従来通りにやればいいと思ってはいないか。校長先生の話に、はっとさせられた。
 4月は何も新入生、新社会人だけが新たなスタートを切る時季ではない。長く同じ道を歩んできた者にとっても、それまでを省みて軌道修正するいい機会だ。
 「簡単に同意しない気持ちを持て」。自分にも向けられた言葉と受け止め、気を引き締めている。(整理部次長 細谷隆)