復興庁は省庁の中で特殊な存在だと思う。省庁は普段、市民とじかに接する機会が限られる。市民に身近な行政機関は都道府県や市町村。市民と向き合うことこそ自治体の仕事だ。
 東日本大震災に伴い2012年に発足した復興庁も当初は「被災自治体のための役所」だった。被災者支援などの施策を実行するのは自治体。被災者には遠い存在だった。
 ところが、震災は従来の「遠い省庁」では通用しない。先月末、「東北で良かった」発言で復興相が辞任した。今回だけでない。おんぶ、知事への上から目線発言。民主党政権時代から続く閣僚や幹部の失態は、被災者と常に向き合っている意識の希薄さの現れだ。
 被災者にとって復興は最も切実な課題。加速の願いを託す先に国、自治体の別はない。大事なのは信頼。職務以外でばかり追及された大臣もいたが、論外だ。
 復興庁のフェイスブックには職員自ら被災地のイベントや食をPRする記事が多い。もっと顔が見える存在に-。職員は気付いているのかもしれない。でも、それって自治体の仕事では? そんな見方もある。やはり特殊な役所だ。
(報道部次長 玉應雅史)