あまりにも劇的な、そして悲劇的な幕切れだった。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の秋田が秋田市であった残留プレーオフ1回戦で横浜に敗れ、来季の2部(B2)降格が決まった試合のことだ。
 テレビの中継を見ていた。2点リードの試合終了直前、相手選手の3点シュートがリングに吸い込まれると、会場が一瞬、静まりかえった。信じられないことが起きたといった感じだった。
 痛恨の敗戦にもかかわらず、チームカラーのピンク色で会場を埋め尽くした地元ブースターは温かかった。取材した記者によると、敗戦や降格を責めるような声は全くなかった。
 チームに対する県民の愛着は深い。バスケ王国といわれる土地柄に加え、地域に密着した地道な活動が浸透しているためだろう。少し大げさに言えば、県民の「宝」でもある。
 監督が責任を取って辞任したほか、主力選手の流出も懸念される。チームは1年でのB1復帰を掲げるが、道のりは険しい。それでも、県民は変わらぬ声援を送るだろう。その思いに応えられるかどうか、来季に向けた戦いは始まっている。(秋田総局長 宮川宏)