プロ野球東北楽天の試合の日は、経過を詳細に把握するため、球場で取材する記者だけでなく、デスクもテレビ観戦しながらスコアを付ける。我流の上に、いい場面になると画面に見入ってしまい、手元のスコアだけが勝手に中断するので、結局は配信される公式記録にすがることになる。
 スコアブックを初めて手にしたのは、入社2年目に赴任した青森総局でのこと。夏の甲子園を懸けた高校野球県大会の取材は新入りの仕事。ルールもろくに分からない。「野選」って何? 場外乱闘のことか?
 スタンドなどで写真を撮りながら記入する。何せ初の経験。自信がなく、試合後、球場に掲示された公式記録を寸分漏らさず書き写した。繰り返すうちに、どうにかスコアらしきものを付けられるようになった。
 取材後は写真を焼き付け、戦評や得点記録などの原稿を仕上げる。今考えると気が遠くなる作業だ。しかし、青森県内版(当時)は1ページ。地元紙などのような派手な扱いにならない。
 決勝戦。総局長が「弁当だけは他紙に負けるな」と豪勢なうな丼を差し入れてくれた。スタミナ満点、取材にも力が入った。(スポーツ部次長 山内一也)