8年ぶりにプロ野球の試合を取材した。もちろん東北楽天戦。一塁カメラ席に陣取って、さあ撮るか…。
 シャッターのタイミングが全く合わない。バットにボールが「乗っかる」インパクトの瞬間こそ命なのに、まるで駄目。カメラは1秒間に10こま以上連写できるが、最初の1枚がずれることで、バットの振り抜きから一塁への走り出しまで、全こまが遅れてしまう。
 三脚の高さを調整したり、脇を締めたり。ありとあらゆることを試したが、結局直らずじまい。
 なぜだ? 思い当たったのが「試合勘」。大相撲の世界にはこんな言い伝えがある。「稽古を1日休めば、取り戻すのに3日も4日もかかる」。日々精進の大切さを説く。
 そういえば銀次選手も常々言っていたではないか。「とにかくバットを振る。毎日振る。そうしないと打てない」と。普段の努力をしてこそ「貯金」ができ、けがで休んでも復活への道を切り開くことができる。
 なまった体と技量で、のこのこプロ野球の取材現場に行ったカメラマン。試合後、夜空を見上げて何百回と空シャッターを切り続けた。唇をかみながら。(写真部次長 長南康一)