ペーパーレス化は社会全体の流れ。いまさら言うまでもないだろう。ITの普及がそれを一層加速させている。新聞社も例外ではないのだが、紙とはなかなか縁を切れない職場もある。
 今の紙面作りは、記事も写真もデータ化処理して行うのが一般的だ。オンラインでつながった端末を、整理記者が操作して組み上げる。一方、デジタルとアナログの間を行ったり来たりしながら仕事をしているのが整理部の出稿デスクだ。
 デスクごとに配置された端末画面で作業をするのだが、通信社から配信される記事やグラフ類をすべて印刷するプリンターが、同時並行で稼働している。無駄じゃん!と言われそうだ。
 ペーパーレス化に逆行していると思われるかもしれないが、膨大な量の原稿の取捨選択を画面上だけで行うのは難儀だ。目にも悪い。格好をつけて言うと、異なるさまざまな情報を連続して素早く把握しなくてはならない作業にとって、紙はとてもありがたいのだ。
 その日の仕事を終えるころには、机脇の大きなごみ箱は紙でいっぱいだ。両手の指先は油分をなくしてかさかさだ。紙との格闘はまだしばらく続くのだろう。
(整理部次長 小川雅洋)