配信記事は簡潔に事実を述べていた。米国のスリーマイルアイランド(TMI)原発が2019年に閉鎖されるとのニュース。「びっくりすることではないよ」とでも言いたげな風情が、行間から感じられた。
 事情を知る人には、当然の流れだっただろう。米国の原発は、シェールガスによる火力発電との競争や、6年前の東京電力福島第1原発の事故による逆風にさらされていた。最近のTMI関係記事では、将来的には閉鎖されるとの見通しが繰り返し述べられていた。
 だが福島第1原発事故の発生時、誰もがチェルノブイリとともに思い浮かべた名前だ。1979年の炉心溶融事故とその処理は、福島第1原発が歩む廃炉への道程で、ずっと意識するであろう事例である。
 記事からは、ドライな経済の論理で閉鎖される米国の業界事情も感じられた。トランプ米大統領が地球温暖化対策の「パリ協定」離脱へ動いている中の発表は、象徴的でもあった。
 夕刊担当として記事を一読したとき、確かに驚きはなかった。だが忘れてはならない記事、心の中にピン留めしておくべきニュースと思い、掲載した。
(整理部次長 宮本伸二)