かつて岩手県南部の故郷では「生活改善運動」というのがあった。地域の因習にとらわれず、合理的な生活を実践しようといった趣旨だったと思う。
 「虚礼廃止」をスローガンに、高額な祝儀・不祝儀やその返礼は厳に慎むことになり、簡素化が進んだ。
 出だしから古い話になって恐縮だが、実はふるさと納税の返礼品問題を巡る山形県の動きを見ながら、ずっと思い出していた。
 きっかけは先月下旬、吉村美栄子知事の会見での発言。国が返礼品の調達額を寄付額の3割以下とするよう求めているのに対し、「(贈り物には)半返しという言葉もある」と述べた。
 個人的には「今どき半返しねぇ」と感じたが、総局の記者たちが全35市町村に返礼品の額を何割に設定しているか問い合わせたところ、何と「5割」が最も多い27市町村に上った。
 市町村の担当者からも「社会通念上、半返しでしょ」との声が結構あった。「半返し」が根付いていることに感心しながら、ちょっと心配になった。
 山形に来てまだ2カ月。これが一般的な相場だとしたら、今後のお付き合いにも少なからず影響が…。
(山形総局長 昆野勝栄)