真相究明を願ういじめ自死遺族の思いは、ことごとく踏みにじられてきた。学校は事実を覆い隠し、遺族は「裁判しかない」との心理に追い込まれる。
 仙台市で2年7カ月の間に男子中学生3人が自殺した。取材班キャップとして「肉体の死」に加え、子どもたちが「魂の死」に直面していると危惧している。
 いじめ絡みの自殺を受け、学校や教育委員会は第三者委員会を設置する。専門家による中立公平な調査-との期待は裏切られ、中途半端な報告書ができる。
 教諭や加害生徒側は「訴訟リスク」を考え、調査に積極的に応じるケースはまれ。学校・教委側が選ぶ委員が「中立」かも疑問だ。遺族が「遺族推薦委員」を求める理由がここにある。
 取手市教委の第三者委は形だけの調査に終始し、仙台市教委の第三者委は「捜査権がない」と半分、さじを投げた。国から「しっかり調査を」と叱られ、いずれも翻意した。
 真相究明抜きの再発防止策はあり得ない。学校側の「アリバイづくり」なら第三者委はいらない。子どもたちの死が真剣に省みられない「魂の死」を許す社会を誰も望んでいない。
(報道部次長 山崎敦)