「仙台港背後地にジブリワールドを誘致してはどうか」。宮城県政担当だった13年前、県議会定例会で宮崎駿監督ファンの若手県議がこんな質問をした。
 当時は「三鷹の森ジブリ美術館」が開館して間もなく。周囲は何となく冷ややかで当時の知事も「興味深いが、超えるものが多い」と述べるにとどまった。
 それでも本人はつてを頼ってスタジオジブリを訪ね、宮崎氏や鈴木敏夫プロデューサーと懇談するなど一生懸命。今は国会の赤じゅうたんを踏んでいる。
 2月に「ようやく本を書いたよ」と連絡があった。タイトルは「ジブリワールド構想」。「ナウシカ」「ラピュタ」など21作品ごとに主人公の冒険を体験できるアトラクションを考案。巻末では宮崎氏に対し、改めて構想実現を熱望した。
 そこへ思わぬニュース。愛知県が今月、愛知万博跡地公園に「ジブリパーク」を整備すると発表した。ジブリとも合意し「トトロ」の風景を再現するという。
 悔しがっているかなと思い訪ねたら「実現すれば素晴らしいことじゃない。東北にも必ずチャンスはあるよ」。やはり筋金入りのジブリフリークだった。(東京支社編集部長 吉岡政道)