1月に始まった長期連載「トモノミクス 被災地と企業」が最終盤を迎えた。連載に加え、公開フォーラムの開催や特集記事の展開もあり、取材班は胸突き八丁を走り続けている。
 トモノミクスは東日本大震災からの復興とCSR(企業の社会的責任)を結び付け、芽生えた「利他」の精神を基に企業社会の将来を展望する試みだった。
 震災から7年目。本紙は一貫して震災報道を編集の主軸に据えている。今回は企業の視点で復興を見詰め直す、やや異色の切り口になった。読者にはどう伝わっただろう。
 新聞記者はよく「一匹おおかみ」に例えられる。独自の視点でターゲットを定め、時に水面下に潜るようにして取材を進める。一方、長期連載の担当者はいや応なくチーム取材に組み込まれる。長時間の会議を重ね、振り絞って書いた原稿が全体の流れに沿うよう書き換えられることもある。
 取材班は昨年10月以降、取材、調査、執筆、事務に明け暮れた。その苦労も先が見えてきた。胸に去来するのは達成感か。悔いか。言えるのは、記者である以上、どこへ行っても苦労が待っているということか。
(報道部次長 今里直樹)