ホオズキ色の夕日が岩木山の向こうに沈んだ。刻々と深まる夕闇。ナイター照明に浮かぶ人工芝で、一投一打に躍動する東北楽天の選手たち。「けっぱれー(頑張れ)」。満員の観衆はお国言葉で声をからした。
 青森県内で29年ぶりとなるプロ野球1軍の公式戦が先月28日、弘前市営「はるか夢球場」で開催された。
 歴史的な一戦のスタンドの一角。父親と共に日本海側の深浦町から訪れた9歳の少年は、瞳をきらきらさせながらダイヤモンドの選手を追っていた。
 「心臓が飛び出るほどうれしい。僕もここで試合がしたい」。リンゴのようなほっぺをさらに紅潮させ、手に入れた大好きな楽天選手のサインボールを見せてくれた。
 宮城の田舎の野球小僧だったわが身と重なった。初めてのプロ野球観戦は仙台市の宮城県営球場。今のKoboパーク宮城だった。あの日見た、憧れのマウンドが忘れられない。
 夏の甲子園に挑む高校野球の県予選が東北でも始まった。小さい頃から憧れた夢舞台を、ぜひつかみ取ってほしい。見果てぬ夢の残像を抱くかつての野球少年は熱くそう思う。
(写真部次長 門田勲)