林立する大型クレーンの数に驚く。東京・晴海の都有地(44ヘクタール)で進む市街地再開発事業。2020年東京五輪・パラリンピックの選手村となる場所だ。
 民間業者が14~18階のマンション22棟(約6000戸)を建設。工事費は1000億円超で19年末の完成を見込む。大会主催者が借り上げ、選手ら約1万7000人が滞在するという。
 大会後は業者が改装して分譲・賃貸マンションになる。50階の高層マンション2棟や小学校も新設される予定。人口は現在の約7倍の1万2000となる。
 工事現場の看板には「レガシーとなるまちづくり」。単純比較はできないが、3月まで勤務した岩手県の沿岸被災地や台風10号で被災した岩泉町を思い返すと全くの別世界。「復興五輪」はみじんも感じられず、何だか暗い気分になった。
 晴海にはもう一つ見ておきたい場所があった。埠頭(ふとう)公園近くの岸壁。「西部警察」最終回のラストで石原裕次郎さんが警察手帳を海に投げ捨てたロケ地だった。選手村工事のため立ち入り禁止だったが、当時の古びた岸壁は残っていた。
 懐かしさがこみ上げ、少し気分が良くなった。(東京支社編集部長 吉岡政道)