局地的に降り続く激しい雨の恐ろしさを、また見せつけられた。福岡、大分両県など九州北部を襲った災害。もたらした惨状に、胸が締め付けられる。
 山が崩れ、大きな岩の交じった土砂が住宅を壊して中になだれ込んだ。大量の雨は山の木々を倒し、川に集めて下流へと運び、堤防をえぐった。人々の穏やかな暮らしが奪われた。
 東北も昨年夏、同じような災害に遭った。岩手県岩泉町。足を運ぶと、覚えていた、のどかな山里の風景はなくがくぜんとした。
 「雨は白いカーテンのようだった。前が全く見えなかった」「川の水かさが増し、5メートルを超える岩を転がした。怖かった」。地元の人の言葉が耳に残る。
 沢を伝い、至る所で土砂が転がり落ち、道路を覆った。川の濁流で路肩を削られた道路や、折れ曲がったガードレールも数え切れないほど。何より驚いたのは積み重なるように散乱する流木の多さだった。
 あれから1年。だが、まだまだ元通りにはなっていないという。人口減少が続き、高齢者の占める割合も高い。以前のような、安心して暮らせる環境が一日も早く戻るのを願っている。
(整理部次長 細谷隆)