子どものころ文庫目録を愛読していた。岩波文庫「解説目録」で1タイトル約150字。簡潔にまとまっていて「世界の名作」を読んでもいないのに、1%ぐらい読んだ気になれた。
 1%知ると、もっと知りたくなって、結局買い求めてしまう。積もり積もって長年、気が付くと家中、書棚からあふれた本に占拠され弱り果てている。
 本紙の読書欄は日曜日に3ページ。東北関係の書籍を除くと、毎週5本の書評を中心に構成する。通信社から配信された原稿の中から、内容、出版社などが重複しないよう選んでいる。
 読書欄の担当となって、わが家で本の占める領土がますます拡大しているように感じる。家族の目がいっそう厳しくなった。
 「この本売れてるみたいだな」「タイトルの意味は?」…。本紙と新聞各紙、週刊誌などの書評に目を通していると、必ず欲しい本が見つかるから悩ましい。書評とは、読者に「本を買いに走りたくなる」よう仕向ける商業文なのだと、改めて気づかされる。
 本の山に押しつぶされる日も近いかも。これ以上、本を増やさない妙案があったら教えてほしいものだ。
(生活文化部次長 新迫宏)