「うーん」と、思わずうなってしまった。
 大崎市のJR古川駅前のコーヒー店。マスターが提供するコーヒーは、どの教科書にも載っていない「常識外」のいれ方で、コクと軽やかさが同居する味だ。
 コーヒー好きの私も、いろんないれ方を試してきた。だからこそ分かる盲点。店でじかに見てもらうしかないが、世の中のコーヒーのいれ方のいいとこ取りの手法で、「この手があったか」とカップの中のコーヒーをしげしげと見つめた。
 大崎総局に赴任してから、多くの常識外に触れた。あるハム工房では、「塩抜きをしない」という製法を学んだ。塩漬けした肉の塩分は熟成中に抜けるので、途中でうま味を逃がさないために塩抜きの工程を省いたという。
 障害者を招いたクラシックコンサートは、「騒いでいい」というものだった。舞台を走りだした子どもが演奏中のピアノの鍵盤をたたく場面に遭遇したが、不思議な「協演」になった。静かに聴いているだけでは味わえない感動を覚えた。
 今、測量関連の入札問題の取材に関わる。「低価格での談合」もあり得るのではと常識を疑っている。
(大崎総局長 大場隆由)