例年ならこの時季、真夏日や猛暑、熱中症といった単語が紙面をにぎわす。暑さに嫌気が差すところだが、今年は太陽と青空が恋しくてたまらない。オホーツク海高気圧の影響で東北地方の太平洋側は特に、天候不順に悩まされている。
 東日本大震災の津波被害を受け、ようやく再開にこぎ着けた海水浴場は大きな痛手だったに違いない。夏物衣料は既に大幅値下げ。一方、葉もの野菜は徐々に値が上がっている。宮城県内の農家は「日照不足でコメの収量はいつもの6、7割にとどまるかもしれない」と見通す。
 平成以降で大凶作に見舞われたのは、四半世紀近く前の1993年。全国の作況指数は74で、「著しい不良」だった。東北は宮城37、岩手30、福島61などいずれも戦後最悪を記録した。
 コメが店頭から消える社会現象が起き、当時の赴任先だった山形市でも米価が高騰。ひょろ長くてパサパサしたタイ米の緊急輸入の記憶はあまりにも鮮明だ。
 減反廃止など、国内のコメ政策は転換期にある。「平成の米騒動」を想起させる今年の冷夏は、今後のコメ作りの在り方を占う試験紙になるかもしれない。
(報道部次長 末永秀明)