近年の雨は記録的な雨量となることが多い。先の台風5号は西日本から東日本まで広範囲に激しい雨を降らせ、各地に大きな被害をもたらした。気象庁の発表によると大雨が降る頻度が30年で3割増えたという。
 豪雨被害の紙面に接するたびに、仙台市で約41万人に一時避難勧告が出た2015年9月の、湿度の高い粘付くような夜を思い出し身につまされる。
 あの夜、夜勤を終えて帰宅後も降り続いた。自宅から500メートルと離れていない七北田川が増水。堤防の決壊を恐れ、高齢の両親と車で避難した。幹線道路はわずかな時間で川のような流れをつくっていた。
 街灯は雨しぶきに煙り視界が効かない。道路は思いもよらぬところに深みをつくり、水深が分からない状態で車を走らせる恐怖。ハンドルを取られ、波打つ雨水に車が左右に揺れ始めた時は覚悟した。
 豪雨は見慣れた風景を全て覆い隠し、時間とともにその姿を変える。普段は気付かない道路のうねりが落とし穴となる。どこを逃げ道とするか、初動の遅れで選択が大きく変わる。今年は特に雨の予報に身構えてしまう。
(整理部次長 足利克寛)