こんなにも感覚が変わるものなのかと、わが身を振り返る。本社から大崎総局に赴任して5カ月。暑くない夏を歓迎する人も多かったが、コメ関連の取材が多くなったせいだろうか、雨続きの不順な天候が気になってしょうがない。
 時折、車から降り、稲の穂先をじっと見てしまう。8月下旬に日照が増えると、心が幾分軽くなった。県の水稲生育調査に同行した時は、登熟に不安が残るものの、思った以上に生育が順調だと分かり、ちょっとほっとした。
 コメの不作と言えば、山形総局で迎えた記者生活のスタートがトラウマのようになっている。1993年の大冷害。東北の作況指数は56と戦後最悪だった。
 タイ米が緊急輸入され、スーパーでは国産米と抱き合わせで販売された。買ったばかりのタイ米を店に置いていく人もいた。「麦混ぜても国産米」。記事にはそんな見出しが載った。
 あれから四半世紀。大きく変わったと感じるのが、消費者、生産者の食味への関心が格段に高まったことだ。刈り取りは目前。収量はもちろん、食味への影響が、限定的なものにとどまってほしいと願っている。
(大崎総局長 大場隆由)