ことしは夏目漱石生誕150周年だという。来年は戊辰戦争から150年なので、ちょうど幕末から明治の橋渡し期に誕生したわけだ。昨年は没後100年だった。
 確かに担当する読書欄では漱石関連の記事に頻繁にお目に掛かる。評伝、研究書の解説や漱石作品をテーマにした随筆は多い。漱石の姿を再現したアンドロイド完成のニュースがあれば、先日は東京・新宿の旧居跡に記念館が開館した。
 日本に文豪は数多けれど、いまも漱石の人気は絶大だ。いくつかのネット投票を見ても、芥川龍之介や川端康成を引き離し、断トツの1位である。筆者も若い頃、なぜか「冬休みの読書は漱石」と決めていた。
 東北大図書館が11月、仙台文学館と共催で150周年記念特別展示を開催する。昨年に続いての特別展で、東北大が所蔵する「漱石文庫」から今回は日記や手帳、書簡などを公開する。
 漱石文庫は、門下生の小宮豊隆が図書館長だった縁で譲り受けた約3000冊の蔵書から成る。直接ではないが弟子を通じ、東北とゆかりがあったとは…。
 読書の秋、ン十年ぶりに読み返してみようかな。
(生活文化部次長 新迫宏)