江戸時代中期の登米市登米町地区の地図を見せてもらった。登米伊達家の家臣の家などが実名で記されている。家々の配置、堀の位置など今とさほど変わっていないという。
 「町並みが江戸時代から変わらず残っている。化石みたいなまちです」と登米町地区出身で仙台郷土研究会会員の日野広生さん(65)は指摘。「家や土地の持ち主が変わっても武家屋敷の名残を残している。国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建)に選定されてもいい」と強調する。
 昨年から東北工大の建築史研究室が同地区で古い建物の調査を進めている。担当の講師は「商人と武家の屋敷、寺社が混在する珍しい地区。学術的、歴史的に価値があることを地元の人に気付いてほしい」と話した。今年9月には東北工大大学院の研究室が、スレート屋根の家が多い登米町地区で見学会を開催するなど、この地区の景観的な価値が注目されている。
 日野さんは「埼玉県川越市のように伝建になれば観光客は増える」と言う。日野さんによると、選定に向けては、外から応援する学者や地元の人による機運の高まりが必要のようだ。
(登米支局長 本多秀行)