先日、居合の宮城県大会を取材した。居合とは、日本刀や模造日本刀(居合刀)を使った演武。立ち技もあるが、多くは座った状態から刀を抜き、相対する仮想の敵を切り倒して納刀するまでの型を演じる。
 抜刀、納刀の美、技の切れ、併せて表現の奥深さなどを競う。経験の差は大きいが、体力差はほとんど影響せず、年齢差、男女の別なく同じ土俵で勝負する珍しい競技だ。女性が男性を破ることも多々ある。先の大会では、初心者が出場する「無段の部」で、小学6年の女の子が、大学生を差し置いて優勝している。
 小生、小中学のころ、居合をかじり、中学2年の時、東北大会に出場した。結果は初戦敗退。その対戦相手は2回戦で女性にあえなく敗れていた。居合の奥深さ、厳しさを実感した。
 居合が性別を問わないなら、どんな分野であれ仕事も同じだろう。われわれは原稿や紙面の優劣を競う。そこに性別や年齢差が入ってくる余地はない。経験と努力がその差を分ける。居合と同じかもしれない。
 大会会場では居合刀が空気を切る「ひゅう」という音が何度も聞こえた。熟練の技がそこにあった。(スポーツ部次長 相沢英幸)