第26回河北工芸展が、仙台市宮城野区のTFUギャラリーMini Moriで開かれている。今年の特徴として3人の審査員が挙げていたのは、東北らしさが薄れ、グローバル化を背景とした普遍的テーマの作品が目立つということだ。
 そんな中、注目された入選作品がある。青森県平内町の小形都さん(53)の染織「青森に暮らし縁(えにし)を現在(いま)に」。袖無しの袢纏(はんてん)で、裂織(さきおり)の手法で制作した。
 高く評価したのは審査員の1人、人間国宝の伊藤赤水さん(陶磁)だった。審査当日、入賞を逃したのがよほど惜しいと思ったのか、「とても魅力的な裂織。ぜひ続けてほしいと作者に伝えて」と言い残した。
 寒冷地で暮らす人々の防寒着が、伝統の技で織り込まれた。まさに東北の地域性に根ざした作品だ。実用性の中に美しさを見いだす「用の美」がそこにある。
 「地元のお年寄りから頂いた着物をほどいて作った」と語る作者の小形さん。福祉関係の仕事を続けながらの作業で、完成まで3年を費やしたという。
 グローバリズムの一方で、東北らしさを再発見するのも工芸展の楽しみ方の一つだろう。13日まで。(生活文化部次長 加藤健一)