ちょっと残念。でも、期待は膨らんでいる。岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」のことだ。
 世界の学者らの国際委員会が、加速器の全長を31キロから20キロに短縮する新計画の了承を発表。ネックになっていた約8300億円の建設費は、5000億円程度に抑えられる見込みで、実現性が高まった。
 ILCは光速近くまで加速させた電子と陽電子を衝突させる装置。仕組みは何とも難しいが、宇宙誕生の状態を再現すると聞けば、ロマンを感じてしまう。
 宇宙のうち物質は5%しかなく、残りは正体不明の暗黒物質と暗黒エネルギーといわれる。残念なのは全長短縮で暗黒物質の発見が難しくなる点だが、将来の拡張の可能性は残る。
 ILCは盛岡総局と報道部勤務時代に取材に関わった。文系頭にはつらい面もあったが、「ノーベル賞を生み出す施設が東北にできるかも」とわくわくした。
 東北の経済団体などが「復興のシンボル」と位置付けるILCだが、東北全体の関心はまだまだ低い。建設推進の機運が福島をはじめ各県で高まってほしい。
(福島総局長 安野賢吾)