森の中にコテージ風のしゃれた木造の建物がたたずむ。扉を開けると妖精や花、動物などさまざまな楽しい形のクッキーが並んでいた。晩秋に訪ねた宮城県川崎町前川地区の別荘地の一角にある焼き菓子店。隣で暮らす菓子作家の高木雅美さん(52)が「焼き菓子でつくる童話の世界」をイメージし昨年6月に開いた。
 高木さんは工房兼店舗を営む仙台市青葉区宮町から夫と2人で昨年移住した。週前半は仙台に通い、週末は川崎で仕事をする日々。「人をワクワクさせたい。驚きと喜びがあふれ出すお菓子を作りたい。その気持ちが原動力かしら」と笑みを浮かべる。
 「行こう! 立ち止まらずに前を向いて行こう」。高木さんが菓子に込める思いだ。「目の前のことを真面目にコツコツ積み重ね、ささやかな幸せをかみしめたい」。穏やかに語る言葉が心に入り、わが身を顧みる機会にもなる。
 川崎の店舗は11月半ばから一時休み。仙台のギャラリーで開かれるクリスマスイベントに出品する菓子作りに専念するためだ。高木さんの歩みはとどまらない。店の再開は来年1月中旬の予定という。(生活文化部次長 芳賀紀行)