集中して無言なのか行き詰まって言葉が出ないのか見極めが難しい。締め切り時間が迫ると紙面の担当者は端末を前に十人十色の様相を見せる。そわそわ、黙々。時折、端末画面に話し掛けるような独り言が耳に届く。哀願調や脅迫調、お祈り調…。
 整理部員が指示を出し、制作部員が端末を操作しながら紙面を作っていた時代は、ときには掛け合い漫才のようなやりとりが紙面担当者の軽い気分転換と思考の刺激になっていた。
 いまは整理部員自らが端末を操り見出しとレイアウトを考えながら紙面を組み上げる。自分のペースで進めることができるメリットはあるが思いの外、激しい緊張を抱えながらの孤独な作業だ。
 先のプロ野球日本シリーズは2カ面展開で準備していた。接戦続きで、いつもなら紙面の仕上げに入る時間になっても全体構想すら見えぬ試合に、担当者はぶつぶつと口を動かし、ストレスを吐き出しながら紙面のイメージを膨らませていた。
 端末に話し掛けているといい考えが浮かぶこともままある。こちらが口を挟むタイミングが難しい。
(整理部次長 足利克寛)