小学生時代、県営宮城球場(現Koboパーク宮城)でプロ野球ロッテの試合を見るのが楽しみだった。
 1度だけスコアボードの中から観戦したことがある。縦9.5メートル、横21メートル、奥行き2メートルの建造物。電光掲示は点数だけで、チーム名や選手名は手書きのベニヤ板だった。母のいとこに当たるおじさんが、ボード内でベニヤ板をセットする手伝いをしていたときがあり、中に入れてもらった。
 選手交代の電話が来ると、その名前が書かれたベニヤ板を素早く用意し、狭い階段を上り下りして打順の場所へ。のぞき窓があり、グラウンド全体がよく見えた。得した気分になった。
 13年前、東北楽天の新規参入を取材し、球場の大改修も目の当たりにした。進化を続けるスコアボードは現在全面LED。横には大型ビジョンもある。訪れるたびに、あの古びた宮城球場の変身ぶりに驚く。
 スコアボードに連れて行ってくれたおじさんが先日亡くなった。元高校球児のスポーツマン。漫画「ドカベン」にほろりとする優しい人だった。スコアボードがLEDになってもベニヤ板運びを手伝ったときの楽しさは忘れられない。(東京支社編集部長 吉岡政道)