松竹映画「男はつらいよ」は、青森県内で2作品が撮影された。1971年公開の奮闘篇(へん)と75年の寅次郎相合い傘。ロケ地を見聞する機会があった。
 まずは榊原るみがマドンナ役の奮闘篇。津軽半島西岸の深浦町で「日本一の大(おお)銀杏(いちょう)ライトアップ」(ワイド東北11月12日付)を取材したY記者が翌日、五能線の驫木(とどろき)駅などを撮影した。
 写真に無人の木造駅舎が写っている。外壁は新しくなったが、公開時と変わらぬ姿だ。夕日が輝く波静かな背景の日本海が美しい。
 駅舎には「驫木思い出ノート」が備え付けられ、「昭和46年の映画見て、あこがれの駅、又来るよ!!」「1年ぶりに来ました。元気でました、多分また来る(笑)」と記されていたという。
 奮闘篇は、深浦に隣接する鰺ケ沢町でも撮られた。M記者の取材に同行し訪ねたが、あいにくの曇天の冬空。波荒い陰気な日本海の光景が、寅さんを捜して轟木駅に降り立った妹さくらの不安げな表情のシーンと重なった。驫木駅舎へのファン詣でを知った晴れやかな気分とは正反対だった。
 田中邦衛が教師を演じた小学校舎はもうないが、その跡地も訪ねたくなった。
(青森総局長 長内直己)