独断と偏見で今年の「見出し大賞」を選ぶなら、これだと思うものがある(人間関係に支障が出るので、自社は除きますね)。
 毎日新聞7月27日1面の「19種類の花に祈り 相模原殺傷1年」がそれ。障害者施設で入所者19人が殺害された事件から1年。全盲、全ろうの大学教授が、色や形の異なる19種をまとめた花束を手向けた。「それぞれの人生があった」と。
 見出しを付けた整理記者は、読者がある歌を想起するだろうと信じていたはずだ。お分かりですね。そう、SMAPのあの曲です。
 障害がある人もそうでない人も、みんな違ってみんないい。不寛容の時代と言われる今だからこそ、歌詞に込められた願いを思い起こして。見出しはそう訴えている気がする。
 ちなみに朝日は「忘れない 19の人生」、読売は「19人偲(しの)び献花」。記者の思いまで伝わりますか。
 SMAP解散から1年。今年は誰もが口ずさめる曲がなかった。歌を通じ人々が同じ空気を共有できた時代は遠くなり、「花に祈り」のような見出しは生まれにくくなるのか。差別や偏見のない世の実現までも遠くなるとは思わないが。
(整理部次長 村上朋弘)