東日本大震災からの再生を願いメールマガジン「3.11を忘れないためにできること」の発行を2011年7月から続ける千葉県柏市の会社員花木裕介さん(38)と取材で出会ったのは15年4月。以来たまに連絡を取り合うようになり、何度か紙面でも取り上げた。
 花木さんから今月1日に届いたメールを見てハッとした。咽頭がんの宣告を受けたという。自分の未来予想図が一瞬にして崩れ去った…と切実な胸の内を記す一方で、「相反する(前向きな)想(おも)いも生まれている」と書いてあった。
 花木さんの行動の原点には言葉は人の心を動かす力を持つとの考え方がある。メルマガなどによる震災後の地道な文章発信には共鳴するものを感じていた。
 1日のメールには心を込めて返信した。心配しながら数日たつと、「38歳、まさかのステージ4体験記!」と題するブログの開設を知った。文章発信による病気克服への新たな挑戦の宣言だ。強い人だなと思う。
 花木さんは「震災の教訓があって今、こうして病気に前向きでいることができる」と話す。揺るぎない信念で完治させてくれることを心から願っている。
(報道部長代理 松田博英)