新聞社で「連絡さん」と呼ばれるアルバイトをした後、出版社に勤めた友人に直言されたことがある。
 「新聞記者とか編集局内って、『要するに』って言葉を乱発しすぎだよ。『つまり』もそうだけど。何でもかんでも君ら勝手に『要しちゃう』んだよな」
 若手のころ、原稿を出すとデスクから電話が入る。「お前の言いたいことは要するに~ってことか?」「つまり書きたいことは何なんだ?」。下手なこっちが悪いがいい気はしない。
 くくりたがりの職業病?
 よく解釈すれば、表層に隠れるフェイクを引っぱがし、原稿に必要なファクトに一刻も早くたどり着きたい性分だからではないか。
 今、編集局で耳を澄ます。やはりデスクの何人かは若手の原稿に「要するにつまり」責めする使い手のようだ。自分も、添削を手伝うくらし欄ティータイムの投稿者との電話口で「要するに~ということですね」と言っていてはっとする。
 要するにのひと言でばっさり割り切られ、はしょられたくない要所はたくさん潜んでいるだろう。傾聴が大事だと自戒を重ねる。ただ、締め切り間際に発したらごめんなさい。(生活文化部長代理 佐藤英博)