まさか自分が犬の飼い主になるとは、思ってもみなかった。
 十数年前、マンションで暮らし始めた時から妻は考えていたようだ。確かに管理規則上は、抱きかかえられる大きさなら1匹に限って認められている。
 願いをかなえたい気持ちの一方で、責任を持って世話をする自信がなく、踏み出せなかった。2年前のちょうど今頃、仙台市内のペットショップで生まれて間もない子犬を見つけ、意を決した。
 店から引き取り、家に連れて帰った日のことが忘れられない。寒いのか、あるいは怖いのか、腕の中で落ち着かない様子で小刻みに震えていた。
 むしろ、震えていたのは初めて犬を飼う自分だったのかもしれない。抱きかかえる力加減が分からず、やたらと肩が凝った。
 今や休日と言えば、天気が許す限り犬と散歩するのが決まりになった。会社から帰宅すると、深夜でも玄関まで迎えに来る律義さに頭が下がる。
 人懐っこく、いまや年老いた両親らのアイドル的存在でもある。戌(いぬ)年最初の小欄。ただの愛犬自慢にお許しを。
(報道部次長 佐々木篤)