当たり前のことを再認識させられた。「生の楽器の音は、いいな」。気仙沼市の小中高校生でつくるジャズオーケストラ「スウィングドルフィンズ」が設立25年目を迎え、12月に開いた記念コンサートを聴いた。
 「キャラバン」といった定番から「ベサメムーチョ」などのラテン、「バードランド」などフュージョンやロックと、多彩な曲目を披露。伸び伸びとした演奏ぶりが気持ち良かった。
 ドルフィンズは東日本大震災の津波で練習場所や楽器、楽譜を失った。存続が危ぶまれたが、国内外の支援で楽器を贈られるなどして活動を再開。避難所での演奏は被災者を励ました。
 朝早くから開いているジャズ喫茶もあるように、この街には音楽好きが多い。そういえばニューオーリンズやニューヨークなど、ジャズは港町で発展してきたという歴史を思い出した。
 ドルフィンズのメンバーは「私たちは、ジャズが、このバンドが、そして気仙沼が大好きです」と胸を張る。少子化や人口減の影響で団員確保が課題とのことだが、街に生の楽器の音が響く当たり前の幸せを、いつまでも守ってほしい。
(気仙沼総局長 菅ノ又治郎)