仙台藩祖伊達政宗の生誕450年だった昨年、連載企画などで政宗とその時代を多角的に取り上げた。
 その中で印象に残ったのは、東北の独特な戦国事情だ。大名同士が政略結婚や養子縁組で縁戚関係となり、紛争が起きてもほどほどの戦闘でとどめ、徹底的に滅ぼすことはない。
 「冬が厳しく助け合わないと生きていけない事情もあるのだろう。白河関を境に国家観が違っていたのではないか」。政宗の一代記「鳳雛(ほうすう)の夢」を書いた作家上田秀人さんは、こう語っていた。東北には共生、共助の精神を育む風土性があるのかもしれない。
 今年は「戊辰戦争150年」だ。東北が苦難の道を歩んだ戦い。あの時代と今をつなぐ多くの記事が紙面をにぎわせるだろう。
 仙台市の作家熊谷達也さんは現在、幕末期の仙台藩をテーマとした小説の準備を進めている。奥羽越列藩同盟を巡る動きなどは、物語の中心になっていくに違いない。
 列藩同盟が会津藩を救済しようと立ち上がったことも、共助の精神の表れだろうか。「戊辰」を足掛かりに東北人の世界観を探る一年になりそうだ。(生活文化部次長 加藤健一)