今年は戌(いぬ)年ということで、ちまたに犬の話題があふれている。河北新報も元旦から社会面で「犬(ワン)ダフル! 私の相棒」を連載。「人類最良の友」と呼ばれる犬と人との悲喜こもごもの物語を紹介した。
 6回続きのうち3回は東日本大震災が関係していた。震災と犬で思い出すのは、宮城県山元町のある一家の被災体験。2011年3月11日、家族3人と愛犬1匹は自宅2階に避難した後、家ごと津波にのまれ、全身ずぶぬれになった。
 日が沈み、寒さがつのる中で家族3人は代わる代わる愛犬を抱いた。そのぬくもりは体を温めただけでなく、苦境を乗り越える力にもなったという。翌朝、一家は救出された。
 これは飼い主が愛犬に助けられた話だが、被災時にペットを守るのは飼い主の役目。震災ではペットが飼い主とはぐれるケースが相次いだため、環境省は13年、避難所への同行避難を原則とする指針を定めた。
 周囲に迷惑をかけないように、しつけや餌の準備など飼い主がすべき事柄は多い。当たり前の話になるが、ペットを守る上でさらに大切なのは、まず飼い主が無事でいることだ。
(山形総局副総局長 須藤宣毅)