12日にスタートした年間企画「止まった刻(とき) 検証・大川小事故」の取材班を率いて約3カ月。当時、学校にいた教職員11人のうち、唯一助かった男性教務主任(56)の「3.11」を追った第1部「葛藤」を執筆した。
 「年間企画は出だしが肝心」。こう繰り返してきた自分が初回から訂正を出し、一時は「記者を辞めよう」とまで思い詰めた。
 落ち込む自分を救ってくれたのは遺族と仲間だ。ある遺族は「7年もたつのに地元紙が1面で特集してくれるだけでありがたい」と電話をくれた。サブキャップのM君は「まだ序盤戦。挽回できる」と励ましてくれた。
 大川小では全校児童108人中、児童74人と教職員10人が犠牲になった。目撃者が限られる上、「波風を立てたくない」と取材を拒否されるケースが多く、検証を難しくしている。
 取材のハードルは高いが、幸い読者からは「繰り返し読んだ」「涙が止まらない」などの反響が続々と寄せられている。現在、第2部「激震」を連載中。遺族の「止まった刻」を1分でも1秒でも進められたら、と心から願っている。
(報道部次長 山崎敦)