「褒められて伸びるタイプなんです」と、以前部員から言われたことがあった。顔は笑っていたが、全身から本気オーラを放っていた。「いつも文句ばかり付けているんじゃない」と言いたかったのだろう。当時、その期待に沿えるような場面は、残念ながらあまりつくれなかった。
 面と向かい人を褒めそやすのは苦手だ-「はい」。
 「とにかく褒めてください。褒めて、褒めて、褒めてあげてください」。中間管理職になっての研修で、若手社員との接し方について説かれた。誰だって褒められればうれしいのは分かるが、そこまで褒めまくらなければならないのかと、正直うっとうしかった。
 褒め上手と呼ばれる人がうらやましい-「はい」。
 苦手な分だけ逆に、褒めることについて考えさせられたりもする。何を褒める、いつ褒める、どう褒める、どのくらい褒める…。考えていないで褒めたらいいだろうと、自分で自分に突っ込む始末だ。
 「褒められて伸びるタイプ」と言っていた人は、今や中堅。それなりの枝を張り、花も咲かせる。せっせと水をやった人がいたのだろうな、きっと。
(整理部次長 小川雅洋)