本社の取材班で宮城県政や仙台市政を担当していたころ、年度末は緊張する局面が多かった。幹部人事に加え、首長を補佐する副知事、副市長らの交代があるときはなおさら。
 人選にはトップのカラーが強くにじみ、今後の組織運営や政治姿勢を占う材料になる。少しでも早く確実な情報をつかみ、記事にしなくてはならない。
 10年ほど前、仙台市の副市長が一新される人事があった。定数を2から3に増やし女性を2人起用するという。何かとサプライズが多かった当時の市長の電撃決断。若手と共に冷や汗をかきながら取材し、記事を送った。他紙の動向が気になったが、翌日の紙面には載っていなかった。
 びっくりの人選は後に激烈な確執に発展したばかりか、市長選の構図を直撃した。県政も市政も人事の流れをさかのぼると、節目になるような政治劇がある。
 最近紙面を飾った副知事と副市長の交代を伝える特報を読み、東京の年度末は物足りないなと感じていたら、森友文書改ざんが政権を揺るがす事態となった。支社のメンバーが慌ただしく動く。年度末は緊迫しないと締まらない。(東京支社編集部長 吉岡政道)