1月下旬、帰宅途中に転んだ。防寒用長靴を履いていたが、緩い傾斜の凍結路で滑った。右手で受け身を取って何とか体を支えた。
 アパートに着いたら水道も凍結していた。「数十年ぶりだかの寒波。朝から工事依頼の電話がひっきりなしだ」と水道業者。給排水バルブの不調が原因らしい。階下の女性にポリタンクを借りて急場をしのいだ。
 米軍三沢基地のF16戦闘機による燃料タンク投棄(社会面2月21日~3月8日付)を取材した八戸支局のN記者によると、回収作業をした海自大湊地方隊のゴムボートを先導したのは、禁漁を強いられた漁業関係者の船。氷が厚くゴムボートでは進めないため、砕氷船の役割を務めた。
 「湖面の氷を砕いても、翌朝には再び結氷する。とにかく寒い。氷点下の水中で作業するダイバーたちは、どれだけ大変だろう」
 取材中に体調を崩したN記者は、海自隊員や漁業者らの激務を思いやった。
 2月の「光の春」は瞬く間に過ぎ去り、雪解け水が流れる「音の春」が来た。凍結路での転倒による右手首の痛みも和らいだ。覚悟していた通りの厳しい季節が終わりほっとしている。
(青森総局長 長内直己)