平昌冬季五輪で日本は冬季大会史上最多のメダル13個を獲得し、フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を達成した羽生結弦選手(宮城・東北高出)に国民栄誉賞が贈られる。
 苦難の末に金メダルを手にした羽生選手の姿がまぶしい。一方で個人的に印象深いのは、冬季五輪史上最多8度目の大会に臨んだジャンプ男子の葛西紀明選手が、帰国後の記者会見で見せた険しい表情だった。
 会見で日本選手団旗手の葛西選手はスピードスケート女子で金メダルに輝いた選手団主将の小平奈緒選手の隣に座った。彼以外の選手は全てメダリスト。数々の実績を誇るベテランも、胸に「光るもの」がないのが悔しいようで、次の五輪挑戦を改めて強調した。
 メダルなしに終わった男子ジャンプ陣5人のうち3人は30代以上。若い力の台頭が待たれるが、たゆまぬ努力で代表の座をつかみ続ける葛西選手にも国民栄誉賞を贈りたいくらいだ。
 風の強さや向きで運、不運があるジャンプは踏み切り後の飛行時間がわずか5秒前後。4年後の舞台を目指し、一瞬の勝負に再び挑もうとする45歳の精神力は並大抵ではない。
(スポーツ部次長 薄葉茂)