つい最近、取材した卒業式で歌われた合唱曲が気になり、インターネットで検索してみた。某サイトの人気ランキングでは、ポピュラーソング系が軒並み上位。その中に、この合唱曲もランクインしていた。
 もう歌われていないだろうと思いつつ、『仰げば尊し』を調べたら、それなりの順位。恩師に感謝する歌詞が、時代を超えて愛されているそうだ。
 先日、大学時代の恩師だった教授の定年退任を祝う会が東京で開かれ、29年ぶりに再会した。
 昔からのトレードマークだった口ひげと色付きの眼鏡はそのまま。眼光の鋭さも全然衰えていない。そういえば、確か全共闘世代だった。発展途上国の貧困問題や経済格差をテーマに、夜通し語り合ったゼミの合宿が懐かしい。
 先生は福島市出身で、中学、高校時代は宮城県亘理町で過ごした。東日本大震災からの7年間、古里の姿に心を痛め、東京電力福島第1原発事故の理不尽さに怒り続けてきたという。
 会場を後にする際、先生は「弱い立場にいる人にこそ、光を当てなさい」。これは最後の宿題かと思い、胸の中にしまい込んだ。
(写真部次長 門田勲)