家人がひどい花粉症で、季節になると顔が腫れ上がり、まぶたがふさがってしまうほどだった。「口の中がかゆい。目を取り出して洗いたい」。切羽詰まったような声を上げていた。
 わらにもすがる思いで始めたのが減感作(げんかんさ)療法。月1回、スギ花粉を含む薬剤を注射し、徐々に体を慣らしてゆく。5年続けて、症状が出なくなった。
 私も花粉症と付き合って30年。「ぎゅーっと腕をつかまれるように痛い」という注射を恐れて二の足を踏んでいたが、舌下剤が登場したと聞き、去年の夏から始めた。毎朝、新聞を読みながら服用している。
 始めて1年足らずなので完治とはいかない。河北新報朝刊の「スギ花粉予報」に「非常に多い」と表示された日は、くしゃみを連発している。「多い」なら、鼻の奥がむずむずする程度で済む。ティッシュの箱はやはり手放せないが、去年に比べて使用量は間違いなく減った。
 頭をぼーっとさせる鼻炎薬から解放されたのが大きい。根気よく完治を目指したい。でも、仕事で何かやらかした時の、自分に対する言い訳の根拠が一つ減るようで…。
(整理部次長 野村哲郎)