「楽しー」。そう叫びながら新聞紙面を作るパソコン画面を凝視する。紙面製作ソフトを操るカーソルが縦横に走る。
 13分。整理部配属丸2年の担当者が3時間かかって作り上げた紙面を、ベテラン部員が一から作り直すのにかかった時間だ。
 本来は指導する立場の私が、担当者に紙面を直す助言をしなければならなかった。だが私も配属2年ちょっと。悲しいかな、限られた時間での作り直しをアドバイスできる技量がない。
 それでベテラン部員に恥を忍んで聞くことになる。「紙面のこの写真を一回り大きくしたいんだけど」。写真を大きく。それだけのことだが場合によっては大変な手間と時間がかかる。
 ベテランは自分の仕事で忙しいのに「分かりました」。完成していた紙面から記事と写真を全て剥がし、配置し直し新たなスペースをひねり出す。技を駆使し、作業を楽しげにこなす。写真がぐんと映え、見違える紙面になった。
 こんなシーンに出合うたび知る。毎日違うニュースによって創造される紙面。あの人、この人、陰に陽に多くの人の支えがあってできている。
(整理部次長 八代洋伸)