若かった頃のフットワークはないが、それでも、やっぱり外での取材は楽しい。新鮮な発見がある。
 日常の大半を電話連絡や事務作業、原稿の手直しなど半径2メートルの範囲で過ごしている。広い福島県内を縦横無尽に動き回る、なんてことは、とてもできない。
 ただし、交代で担当する週末の出番は別だ。一眼レフカメラを手に取材に向かうことが、たまにはある。
 今月初めは福島市の花見山公園を取材した。花卉(かき)農家が整備して開放している私設の公園。写真家の故秋山庄太郎さんが「福島に桃源郷あり」と紹介した。
 ヒガンザクラは満開。レンギョウなどとのコントラストがまばゆかった。外国人を含め観光客も多く、新潟市のご夫婦は「やっと、約10年ぶりに来ることができた」と満足そうだった。
 最大の収穫は「花見山は花だけじゃない」ということか。案内人の女性は「この後は春もみじを楽しめます」。カエデ科のデショウジョウなどは「真っ赤な新芽が美しい」と言う。
 今度は新緑の花見山だ。カメラにSDカードを入れ忘れ、スマートフォンで撮影する。次こそはそんなことがないようにしよう。
(福島総局長 安野賢吾)