弊紙に掲載するサッカーの試合がある日、スポーツ部デスクは会社内のテレビで試合を見る。他の仕事もあるのでずっと見続けるわけにはいかず、実際には得点があった時に画面に顔を向けVTRでその場面を確認するケースが多い。
 約20年前、当時サッカー取材を担当していた先輩とスタジアムに行った。シュートが打たれるたび先輩はシュートした選手、パスを出した選手、その前の状況などを再現する図をノートにすらすらと書いていた。
 「すごいですね」と感心していたら、「頭の中にある残像を巻き戻していくんだよ」とさらりと言う。自分もまねようとしたが全くできない。そもそも脳に残像がなかった。
 そして現在。実況中継をするアナウンサーの興奮した声が聞こえたので、テレビの前に駆け寄りゴールシーンのVTRを見る。リプレーの映像は複数回流されるが、「いま、最後にパスを出したのは○○選手だよね?」「シュートは右足だっけ?」などと周囲に確認してしまう。
 記憶力だけでなく集中力も欠いていたのだと改めて気付き、自分にがっかりする。(スポーツ部次長 本多秀行)