JR秋田駅前から西に延びる目抜き通り「広小路」の右手に、秋田藩佐竹氏の居城だった久保田城の堀が続く。お堀端から坂を上った所にある城跡は千秋公園の名で親しまれている。
 堀に面して、秋田県民会館、元の県立美術館、私立高校の校舎など1960年代建造の建物が連なる。
 時を重ねた堀と建物、その背後に存在を感じさせる千秋公園。3者が織り成す景色は、自分にとって秋田市の中でも特にお気に入りかもしれない。
 2015年10月の広報あきたの市長コラムは、広小路を挟んで堀の反対側から眺めた旧美術館をこう表現した。「千秋公園の杜を背に、お堀端の三角屋根として市民になじみのある光景。美しい絵画のようです」
 今、大きな変化の時も迎えている。県民会館前に行くと「5月末で閉館となります」との掲示がある。解体して跡地に新しい文化施設が建つという。
 この春、古里秋田に赴いた。秋田で暮らすのは高校卒業以来33年ぶりだ。変わらぬもの、変わっていくもの、守るもの、創り出していくもの-。古里の今昔そして未来に思いを巡らせ、仕事帰りにお堀端を歩く。
(秋田総局長 松田博英)